無くなった歯の治療

残念ながら歯を失ってしまった場合、そもそも治療する必要があるのでしょうか。
前歯であればしゃべりにくくなったり、見た目が非常に悪いので多くの人が治療を望まれます。一方で奥歯の場合は、一本抜けたからといって見た目にもわかりにくいし、食事が出来なくなるわけでもないですよね。

しかし抜けたところを放置しておくと、その空間を埋めようと周りの歯が徐々に動き出して、歯並びやかみ合わせがどんどん悪くなっていきます。その結果、周りの歯の負担が増えてしまったり、むし歯や歯周病のリスクが高くなってしまうなどの弊害が出てくるので、治療が必要なのです。

無くなってしまった歯の治療方法としては入れ歯、ブリッジ、インプラント、矯正治療、歯牙移植術があげられます。

入れ歯

歯が無くなってしまった部分に、取り外しのできる作り物の歯を装着し形態と機能を回復させる方法です。
周りに残ってる自分の歯に金属のバネ(例外あり※1)をひっかけてずれたり落ちないようにします。自分の歯が残っていない場合は歯茎との吸盤の力で維持させます。

メリット
・取り外して自分で洗うことができる
・顎の骨がやせていても製作することができる
・残っている歯をあまり削らないで済む
デメリット
・装着感や咬む感覚が自分の歯とは程遠い
・歯茎が傷みやすい
・取り外しをするのが鬱陶しい
・壊れやすい
・笑うと金属のバネが見えることがある(例外あり※1)

※1: アタッチメントを使用した入れ歯や、歯茎と同じ色をした樹脂製のバネを用いた入れ歯(ノンクラスプデンチャー)は金属のバネを使いません。当院でも製作可能です。

治療のオプション
金属床 入れ歯の内側を従来(保険入れ歯)のプラスチック素材ではなく金属を用いることで、薄くて装着感が良く、熱が伝わりやすい入れ歯にできます。
ノンメタルクラスプ 従来の金属のバネではなく、歯茎と同じ色をした樹脂のバネを用いるため見た目が比較的気になりません。修理が困難な場合があります。
金属歯・陶歯 人工歯に従来の硬質樹脂の歯ではなく、金属や陶器でできた歯を用います。すり減りが少なく丈夫です。
コーヌス装置 バネによって入れ歯を固定するのではなく、取り外し式の茶筒のようなかぶせ物を土台の歯にかぶせることで入れ歯を固定します。金属のバネを使わないため見た目が比較的気になりません。
磁性アタッチメント 入れ歯に高性能磁石を埋め込み、磁石の力で土台の歯やインプラントと固定します。こちらも金属のバネを使わないため見た目が良好です。

ブリッジ

無くなってしまった歯の両隣の歯を削り、ダミーの歯を含めた橋渡しのような人口の歯を装着します。患者さんご自身での取り外しはできません。

メリット
・いちいち取り外さなくてよい
・装着感や咬む感覚が自分の歯に比較的近い
・見た目の回復が優れている(自費)
デメリット
・隣の歯を大きく削る必要がある
・隣の歯に大きな負担がかかる
・適応できない症例がある(一番後ろの歯など)

かぶせ物の種類についてはこちらで詳しく解説しています。

インプラント

無くなってしまった部分の骨に人工の歯根(ネジ)を埋め込み、自分の歯に近い形で人口の歯を立ち上げます。

メリット
・いちいち取り外さなくてよい
・周りの歯を全く削らないで済む
・装着感が自分の歯と非常に近い
・見た目の回復が優れている
デメリット
・他の治療法に比べて治療費が高い
・咬む感覚が自分の歯と少し違う
・手術が必要
・治療期間が長い
・顎の骨がやせているとかなり大掛かりになる

インプラントは単純に歯を立ち上げるためだけではなく、入れ歯を固定するための装置や、矯正治療の装置としても応用されます。

矯正治療

奥歯一本だけを失った場合、矯正治療で無くなってしまった部分を埋めるように歯並びを整えます。最も害が少ない方法です。通常の矯正治療でも健康な歯を便宜的に抜いてしまうことがあるくらいです。

メリット
・周りの歯を全く削らないで済む
・すべて自分の歯のままである
・一緒に歯並びもきれいになる
・見た目の回復が優れている
デメリット
・治療期間が長い
・適応できる症例が少ない

※矯正治療は、提携している矯正専門医との連携治療になります。

歯牙移植術

奥歯を抜く必要がある状態で、かつ機能をはたしていない別の奥歯(主に親知らず)がある場合に、歯を抜いた部分にその別の歯を移植する方法です。

メリット
・周りの歯を全く削らないで済む
・周りの歯にほとんど影響がない
・すべて自分の歯のままである
・見た目の回復が優れている
デメリット
・他の治療法に比べて成功率が低い
・固定が必要で、治療期間が比較的長い
・生着後、根っこの治療やかぶせの治療が必要になる
・適応できる症例が少ない

医院情報

  • 医院名 貴志歯科医院
    診療科 一般歯科・小児歯科
    住所 〒611-0002 京都府宇治市木幡大瀬戸2-5
    電話・FAX 0774-31-8846
    メールアドレス info@kishi-do.com

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